消毒液の匂いがツンと鼻についた。
中野ブロードウェイの四階、人が二人並んで歩くとふさがってしまうほどの狭い廊下の突き当たりに、その扉はある。
13時の開店に少し遅れて向かったが、その時点で長い行列が出来ていたようだ。
整理券を配布され、どこで時間を潰そうかと悩みながら、開け放たれた扉からこっそりと中をうかがうと、店内は「何か」を求めてさまよう人にあふれていた。
店の奥で自らカウンターキッチンでコーヒーを用意するオーナー、渡辺浩弐氏のその不敵な笑みがこのイベントの難しさを物語っているようだ。![]()
やっと順番が回ってきたと喜ぶ間もなく、店内に一歩足を踏み入れると同時に、床に残された事件の痕跡が目に入る。
店内には雰囲気のある小物があちらこちらに散らばっていて、そのどれもが「ここであった何か」を静かに主張していた。